電気主任技術者-電験3種の試験と実務 >> 地絡と地絡を検出する方法
地絡とは
電線や電気機器は、接地部分以外は完全に大地と絶縁されていることが必要です。この大地から絶縁された状態が何らかの異常によって破壊され、電気が大地に向かって流れると地絡(漏電)という現象が起きます。このような状態になると感電や火災の原因になるので、その部分を電路から切り離すことが必要です。
地絡を検出する方法
高圧での地絡による事故を防止する方法は、機器の非充電部を接地し、地絡保護継電器をつけて故障部分を切り離す方法が最もポピュラーです。低圧では、漏電しゃ断器で回路の切り離し、又は漏電警報器で漏電の検出を迅速に行う方法が上げられます。継電器や警報器が地絡を検出する方法として、最も一般的に採用されている方法は、アンペアの右ねじの法則を用いています。今、導線に電流Iが流れているとすると、磁界が発生します。電流の進む方向と磁界の向きは、アンペア右ねじの法則より図1のようになります。そして、全く同じ大きさの電流Iを反対方向に流すと、同じ大きさの磁界が逆方向に発生し、これらは互いに打ち消しあって磁界が生じないことのなります。もし、図2のようにI/2分地絡が発生したとすると、IとI/2の差のI/2の磁界は発生することとなります。このように磁界の検出を行い、どれくらいの漏れ電流が発生しているかを検出する機器を、零相変流器(ZCT)といい、地絡継電器や漏電警報器の検出部として使われています。
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