接地はなぜ必要か?:電気主任技術者-電験3種の試験と実務

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接地はなぜ必要か?

接地とは、大地と電気的に接続された状態(アース)のことです。その接地がなぜ必要なのかは、例えば変圧器の外枠などは、常時は充電されていないけれど、変圧器の故障や絶縁劣化などで、事故が起こったときに、外枠部分が充電され触れて感電しないように施す事や、変圧器二次側中性線を接地することにより、変圧器の故障により、二次側に一次側の高い電圧が混入しないように施す接地などは、保安上の理由によるものです。
また、変圧器二次側中性線の接地は、地絡検出が確実に行なえるようになる機能性の向上も含まれます。

接地抵抗とは?

接地工事を施す時は、接地抵抗というものが問題とされます。そもそも接地の本来の意味は、地球を零電位として基準にし、接地しようとする機器を零電位に保とうと言う事が基本です。しかし実際には、大地に電極を埋設して、電流を流した場合、電極と大地間には電位差が生じてしまいます。これはいくらかの抵抗が存在することを意味しています。この抵抗を接地抵抗といいます。
接地抵抗値は接地極を打ち込む土壌によって大きく左右されますが、抵抗値は小さければ小さいほど良い訳です。電気設備技術基準では、接地抵抗の上限値を4種類に分けて制限しています。

A種接地工事
特別高圧計器用変成器の二次側電路、高圧又は特別高圧用機器の架台、高電圧の侵入の恐れがあり危険度の高いものなどに要求され、接地抵抗値は10Ω以下。
B種接地工事
高圧又は特別高圧から低圧に下げる変圧器の中性線に要求され、接地抵抗値は変圧器の高圧側又は特別高圧側の電路の一線地絡電流のアンペア数で150を除した値に等しいΩ数
C種接地工事
300Vを超えて使用する低圧機器の架台などに要求され、接地抵抗値は10Ω以下。
D種接地工事
300V以下で使用する低圧機器や架台や高圧計器用変成器の二次側電路などに要求され、接地抵抗値は100Ω以下。


デジタル接地抵抗計(D種対応)

接地抵抗値は小さい方が良い訳。

例えば200Vのモーターに施す接地はD種接地工事となり100Ω以下の抵抗値で良い訳なのですが、漏電を起した場合、漏電電圧は接地抵抗値と漏電電流の積で決まってしまいます。理論上の対地電圧はD種接地抵抗値をRd、B種接地抵抗値をRbとすれば、
(200/Rb+Rd)×Rc [V]
となり、接地抵抗値は小さければ、小さいほど効果が大きいと言えます。

    

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