電気主任技術者-電験3種の試験と実務 >> 短絡と短絡電流の遮断の仕方
短絡とは
電気機器には、負荷容量というものが存在します。負荷容量は通常、電圧Vと電流Iの積で表され、単位に[KW]や[KVA]で表されます。又、負荷には通常使用する場合の定められた電圧(定格電圧)が存在します。その電圧での使用下における通常流れる電流は、負荷容量から計算でき、定格電流と呼びます。定格電流、定格電圧が定まると、オームの法則 V=IR より、負荷には固有のインピーダンスが存在する事がわかります。(電動機などは、実際のインピーダンスと計算上のインピーダンスは変わってきます。)
短絡とは、この固有インピーダンスが零になった状態のことをいいます。インピーダンスが零になると、電源からの電圧を吸収する事ができなくなり、又、電流を制限するものがなくなるので暴走して、大電流を流します。このような大電流を流し続けると、電線や電源を供給する機器は焼損する危険があるので、ただちにしゃ断する必要があります。
短絡電流の遮断の仕方
短絡電流の遮断の仕方には、限流方式と非限流方式があります。非限流方式は、短絡電流を検知した際、電流の波形が零点を通過した際にしゃ断するものです。よって検知後、ワンテンポ遅れてしゃ断することになります。そして、限流しゃ断は、短絡電流を検知した際、電流の波形が最高値に来る前に、即座にしゃ断するもので、事故の被害を最小限に抑えることができます。一般的にしゃ断器は非限流方式、電力フューズは限流方式です。
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