短絡と短絡電流の遮断の仕方:電気主任技術者-電験3種の試験と実務

電気主任技術者-電験3種の試験と実務 >> 短絡と短絡電流の遮断の仕方

    

短絡とは

電気機器には、負荷容量というものが存在します。負荷容量は通常、電圧Vと電流Iの積で表され、単位に[KW]や[KVA]で表されます。又、負荷には通常使用する場合の定められた電圧(定格電圧)が存在します。その電圧での使用下における通常流れる電流は、負荷容量から計算でき、定格電流と呼びます。定格電流、定格電圧が定まると、オームの法則 V=IR より、負荷には固有のインピーダンスが存在する事がわかります。(電動機などは、実際のインピーダンスと計算上のインピーダンスは変わってきます。)
短絡とは、この固有インピーダンスが零になった状態のことをいいます。インピーダンスが零になると、電源からの電圧を吸収する事ができなくなり、又、電流を制限するものがなくなるので暴走して、大電流を流します。このような大電流を流し続けると、電線や電源を供給する機器は焼損する危険があるので、ただちにしゃ断する必要があります。

短絡電流の遮断の仕方

短絡電流の遮断の仕方には、限流方式と非限流方式があります。非限流方式は、短絡電流を検知した際、電流の波形が零点を通過した際にしゃ断するものです。よって検知後、ワンテンポ遅れてしゃ断することになります。そして、限流しゃ断は、短絡電流を検知した際、電流の波形が最高値に来る前に、即座にしゃ断するもので、事故の被害を最小限に抑えることができます。一般的にしゃ断器は非限流方式、電力フューズは限流方式です。

    

スポンサーリンク

関連ページ

高圧機器、電気主任技術者の実務に役立つ基礎知識

■高圧機器の基礎知識
  受変電設備とは
  単線結線図
  高圧開閉器・しゃ断器
  変圧器
  進相コンデンサと直列リアクトル
  電流や電圧の測定機器
  保護継電器
  避雷器
■電気主任技術者の実務に役立つ基礎知識
  契約電力と電気料金制度
  力率とは
  有効電力と無効電力
  力率改善のメリット
  電圧降下と電圧変動
  絶縁電線の許容電流
  配電電圧と配電方式
  短絡と短絡電流の遮断の仕方
  地絡と地絡を検出する方法
  接地はなぜ必要か?
  感電による人体への影響
  自動制御と計装入門

↑ PAGE TOP