電気主任技術者-電験3種の試験と実務 >> 電圧降下と電圧変動
電圧降下とは
負荷に電力を供給するには、配電線が必要です。その配電線も、抵抗、インダクタンス、静電容量を持ち、電流が流れると、その抵抗分の合計がオーム損により電力損失を発生させます。この時に使われた電力は、仕事をなさない代わりに熱エネルギーに変換され、電線が熱くなるのはこの理由からです。又、銅の特性上から、銅は熱を持てば持つほど、インピーダンスが増加し、電流を流しにくくします。配線で電力が消費されるということは、つまり、あたかも負荷がシリース(直列)に接続されたようなものです。オームの法則からもご存知の通り、負荷をシリースに接続すると、電圧が負荷の大きさによって分圧されます。配線上ではこの現象を電圧降下と呼び、この電線インピーダンスによって起こる電圧降下は、負荷に悪影響をおよぼします。この電圧降下を少なくするには、配線距離を短くする又は電線サイズを大きくする又は、力率を改善するなどして、線路電流の減少を図ると、少なくなります。
電圧変動とは
電圧変動とは電源電圧が上昇や下降をすることです。一般的には電源設備容量が小さい場合、大きな負荷を稼動させた時に 電圧が下がることが多いです。これは、負荷は始動時に一時的に大電流(突入電流)が流れ、その影響でその系統の電圧は著しく低下することがあります。この現象を、軽減させるために大きな負荷は始動時に対策を講じています。
そして、電気機器にはそれぞれ許容できる電圧変動幅を持っており、おおよその機器で±10%前後となっています。
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